住所変更登記の義務化

不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地、もしくは所有者が判明しても、その所在が不明で連絡がつかない土地のことを「所有者不明土地」と呼んでいます。

平成29年の調査では国土全体の22%も存在することが判明し、公共事業や復旧・復興事業の障害になること、土地の利用が阻害されていること等から、「所有者不明土地」の対応策が検討されてきました。

令和3年4月21日に成立し、令和3年4月28日に公布された民法等の一部を改正する法律の中で、不動産登記法が改正され、「所有者不明土地」の対応策として、その主な発生原因である相続登記の未了、住所や氏名の変更登記(以下「住所変更登記等」といいます。)の未了を防ぐための様々なしくみが創設されています。大きな改正点としては、相続登記、住所変更登記等がそれぞれ義務化されることが決まりました。相続登記の義務化は令和6年4月1日施行予定、住所変更登記等の義務化は令和8年頃施行予定です。

また、登記官が他の公的機関から取得した情報に基づき、職権的に住所変更登記等をする新たな仕組みも導入されることになっています。所有権の登記名義人が自然人の場合、個人情報保護の観点から、職権による住所変更登記等の適用は、本人による申出や了解があるときに限定されます。

住所変更登記等義務化の施行後は、所有権の登記名義人は住所・氏名等に変更が生じた日から2年以内にその変更登記を申請することが義務付けられます。施行日前に変更事由が発生していたケースに関しても、住所変更登記等の申請義務は課されますので注意が必要です(この場合、施行日から2年以内に住所変更登記等の申請が義務付けられます。)。正当な理由なく、履行期間内に申請を怠った場合には、5万円以下の過料に処されることも決まっています。

義務化されましたら、お持ちの不動産について、お引越しやご結婚等により住所や氏名が変わった場合は、登記手続きも忘れずに行いましょう。住所変更登記等が必要かどうかは登記の内容を確認する必要がありますが、その確認方法など、何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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